綿津見宮の段 のバックアップ(No.8)


綿津見宮の段 / わたつみ の みや の段

 
 
是(こゝ)に其の弟(いろと)ホヲリ 海邊(うみへ)に泣き患(うれ)ひ居ます時に
シホツチの神 何(いかに)ぞ 虛空津日高(そらつひこ)の泣き患(うれ)ひたまふ所由(ゆゑ)は
我(あれ) 汝命(いましみこと)の為に善(よ)き議(はかりごと)せむ
卽ち 无間勝間之小船(まなしかつまのをぶね)を造りて 其の船に載せまつりて押し流さば
やゝ暫(しまし)往でませ 魚鱗(いろこ)なす造れる宮 其れ綿津見神之宮(わたつみのかみのみや)なり
其の海神(わたのかみ)の女(むすめ) 見て相議(あひはか)らむぞ
 
 
シホツチ

[古事記:246] シホツチ -ノカミ

[日本書紀] シホツチ -ノヲヂ
・9-4 コトカツクニカツナガサ(イザナキの子シホツチノヲヂ)
・10-本文 シホツチノヲヂ

[古事記伝]
・名の義(こゝろ)は 知識大都知(しりおほつち)なり

 

 
 
ワタツミ

[古事記:27再] ワタツミ -ノカミ
・イザナギイザナミの子 オホワタツミ

[ワタツミノカミ]
・海の神を広く云ふ名 まんがでは27オホワタツミとする
・他に107ソコツワタツミ 109ナカツワタツミ 111ウハツワタツミ 古事記伝はこの三柱の神とする

 
トヨタマビメ ☆

[古事記:247] トヨタマビメ -ノカミ
・ワタツミノカミの子 オホワタツミ
・ホヲリと目合(まぐは)ふ 三年(みとせ)暮らす
・ホヲリを追ひて 海辺でフキアヘズを産む 子神を残し元の国へ帰る

[日本書紀] トヨタマビメ
・10-本文 トヨタマビメ
・10-1 海神(わたつみ)トヨタマビコの女(むすめ) トヨタマビメ
・10-2 トヨタマビメ
・10-3 トヨタマビメ
・10-4 トヨタマビメ

[まんが]
・オホワタツミの子とする

 
マカタチ

[古事記:248] マカタチ(從婢)
・トヨタマビメのマカタチ 玉器(たまもひ)を持ちて水を酌(く)まむ

[日本書紀] ヲトメ マカタチ
・10-本文 一人の美人(をとめ)
・10-1 侍者(まかたち)
・10-4 侍者(まかたち)

[まんが]
・役職名 神の数に含(ふふ)める

[アミ]

 
ホヲリの命 三年(みとせ)といふまで 其の国に住みたまひき
其の兄(いろせ)の失せにし鉤(つりばり)を思ほして 大きなる歎(なげ)き一つしたまひき
是(こゝ)をもて海神(わたのかみ) もし此の鉤(つりばり)を取れる魚(うを)有りや
頃(このごろ) 赤海鯽魚(たひ) 喉(のみと)に鯁(のぎ)ありて 物(もの)得食(えく)はず
是(こゝ)に 赤海鯽魚(たひ)の 喉(のみと)を探りしかば鉤(つりばり)有り 取り出(いで)てホヲリに奉りき
 
 
タヒ

[古事記:249] タヒ(赤海鯽魚)
・喉(のみと)に鯁(のぎ)ありて 物(もの)得食(えく)はず
・喉(のみと)を探りしかば鉤(つりばり)有り

[日本書紀] アカメ タヒ アカタヒ クチメ ナヨシ
・10-本文 赤女(あかめ) 赤女は鯛魚(たひ)の名なり
・10-1 赤女(あかめ) 或いは云はく赤鯛(あかたひ)といふ
・10-2 赤女(あかめ) 亦云はく 口女(くちめ)
・10-3 鯛女(たひ)
・10-4 赤女・口女(くちめ) 赤女は即ち赤鯛(あかたひ)なり 口女は即ち鯔魚(なよし)なり

[まんが]
・生き物 神の数に含(ふふ)める

 
ウヲノヱ

[古事記:番号外] なし

[まんが]
・タヒの喉(のみと)より 鉤(つりばり)を取る生き物 ウヲノヱ

 
海神(わたのかみ) 卽ち悉(ことごと)に 和邇魚(わにども)をよび集めて問ひ曰(たま)はく
今アマツヒコの御子(みこ)ソラツヒコ 上(うは)つ国にいでまさむとす
誰(たれ)は幾日(いくか)に送り奉(まつ)りて覆奏(かへりことまを)さむ
ヒトヒロワニ 僕(われ)は一日(ひとひ)に送りまつりて 卽ち還り来なむ
然らば汝(いまし) 送り奉(まつ)りてよ
故(かれ)いひしが如(ごと) 一日の内に送り奉(まつ)りき 其の和邇(わに)返りなむとせし時
佩(は)かせる紐小刀(ひもがたな)を解かして 其の頸(くび)につけてなも返したまひき
故(かれ)其のヒトヒロワニは 今にサヒモチの神とぞいふなる
 
 
ヒトヒロワニ

[古事記:250] ヒトヒロワニ サヒモチ -ノカミ
・ホヲリを乗せて 一日の内に送り奉(まつ)りき
・今にサヒモチの神

[日本書紀] ヤヒロノワニ
・10-1
・10-3
・10-4