諸神等生坐の段 のバックアップ(No.26)


諸神等生坐の段 / かみがみ たち あれまし の段

 
既に国を生み竟(お)へて更に神を生みます 故(かれ)生みませる神の名は

 これよりイザナギ・イザナミの子生みのはじまり

 
オホコトオシヲ

[古事記:20] オホコトオシヲ-ノカミ
[日本書紀] なし

[画題]
・イザナギイザナミの初めて生みし子神 ではあれども特に意味を持たない名の神
・オホキナコトをするを表はす神 これから成すとも 成し終へたとも解される
・まんがでは 始まりから終わりまでを記す神

 
古事記大事忍男
訓みオホコトオシヲ
英文字Ohokotooshiwo

 今世ではオーコトオシヲとなる
 千年を越えて話された音を尊ぶ

 
イハツチビコ

[古事記:21] イハツチビコ-ノカミ
[日本書紀] なし

[画題]
・蛸石

 
イハスヒメ

[古事記:22] イハスヒメ-ノカミ
[古事記伝]  イハズヒメ-ノカミ
[日本書紀] なし

 
オホトヒワケ

[古事記:23] オホトヒワケ-ノカミ
[古事記伝]  オホトビワケ-ノカミ
[日本書紀] なし

 
アメノフキヲ

[古事記:24] アメノフキヲ-ノカミ
[日本書紀] なし

 
オホヤビコ ☆

[古事記:25] オホヤビコ-ノカミ
・イザナギイザナミの六柱めの子神
・木の国にゐて大国主を助ける神 同じ名
 同じ神とも 違う神とも どちらとも取られる

[日本書紀] なし

[古事記伝] イダケル
・木の国のオホヤビコを 日本書紀の一書のイダケルとみなす

[画題]
・どちらも同じ神とする

[カナメ]

 
カザモツワケノオシヲ

[古事記:26] カザモツワケノオシヲ-ノカミ
[古事記伝] カザゲツワケノオシヲ
[日本書紀] なし

 
はじまりの七柱の子神
ここまでの六柱の神中世に家に関はる神にされる 初出未確認 管轄外
ここまでの七柱の神日本書紀に書かれず 古事記のみの神 名の意味は不明
七に因む 何らかの意図が込められていると思はれる
七つの色 七つの音 七つの星 七つの惑星 七つの曜日
世界を作りし七日 竹林の七賢人
ここまでは七を尊ぶ習はし これ以下(よりしも)八を尊ぶ習はし

・古への物知り人は耶蘇教を知りたらむ
・曜日になぞらへたいがオホヤビコと木曜が合はない
・新(あらた)しく七草をあてたい処 春に喰へる七草を
・神が集ふと 如何なる歌 如何なる曲 如何なる舞ひを見せるであらう
・終はりと始まりの交はりに立つ色なき神たち 後の世に空けて置かれた七柱の神

 
オホワタツミ ☆

[古事記:27] オホワタツミ-ノカミ ワタツミ-ノカミ
・本文:海(わた)の神 名はオホワタツミ-ノカミを生みまし
・ワタツミ-ノカミの宮

[日本書紀] ワタツミ
・5-本文 イザナミは海(うなはら)を生む 海の神に非ず
・5-6 ワタツミ

[古事記伝]
・師の賀茂真淵:海をワタと云は渡ると云ことなり 山には越(こゆ)といひ 海には渡るといへり
・古への神の名ワタツミ わたづみを只海のことに云は此神の名より移れるなり
・ワダツミ タを濁るもひがことなり

[画題]
・本文内に何の神と書かれる神は珍しい
・古へには海(わた) 海原(うなはら)と使い分けられる
・海の神はワタツミ 山の神はヤマツミ 大まかな名付けである
・のちのワタツミも オホワタツミと同じ神とする

[ダイワウイカ]

 
ハヤアキツヒコ

[古事記:28] ハヤアキツヒコ-ノカミ
・本文:水戸(みなと)の神 名はハヤアキツヒコ-ノカミ

[古事記伝] ハヤアキヅヒコ
・水戸(みなと)は水門と書けるも同じことなり 古くミトと云訓みも有
・水之門(みづのと)の意 門(と)は海の出入る戸口なり
・和名抄には湊は和名三奈止(ミナト)とあり 俗(よ)には此字を用ふ

[日本書紀] ミナトノカミ ハヤアキツヒ
・5-6 ミナトノカミたちを ハヤアキツヒと号(まう)す

[画題]
・みなと全て同じもの:港 湊 水戸 水門
・ヒメと水戸を持ち分けることから 一般に河の神

 
ハヤアキツヒメ

[古事記:29] ハヤアキツヒメ-ノカミ
・ハヤアキツヒコの妹(いも) ハヤアキツヒメ-ノカミ
・八柱の子神を生む

[古事記伝] ハヤアキヅヒメ

[日本書紀] ミナトノカミ ハヤアキツヒ
・5-6 ミナトノカミたちを ハヤアキツヒと号(まう)す
 ハヤアキツヒコとまとめられて ひとりの神扱ひ

[画題]
・水戸は河海(かはうみ)の際(きは) 山戸は山の際
・一般に河口の神とされ 記伝はヒコを河/ヒメを海と解す
・まんがではヒコヒメまとめて河の神

 
オホコトオシヲ-ノカミより ハヤアキツヒメ-ノカミまで 併(あは)せて十柱(とばしら)

 古へに10はキリのいい数と思はれてをらず

 

 
 
ハヤアキツヒコ・ハヤアキツヒメ 八柱の子神を生む
記伝水戸(みなと)は河と海の際(きは)なるを 日子神を河の方に 比売神を海の方に
このハヤアキツヒコ・ハヤアキツヒメ二神 河海に因(よ)りて持ち別けて 生みませる子の名は
併せて八柱
まんが八水神 / やはしらのみづのかみ / はっすいしん

 特に名のある神はゐない

 
アワナギ

[古事記:30] アワナギ-ノカミ
・ハヤアキツヒコ ハヤアキツヒメ 八柱の子神を生む

[日本書紀] アワナギ
・2-2 クニノトコタチ、アマノカガミを生む アマノカガミ → アメノヨロヅ → アワナギ → イザナキ
 古事記の神とは関はり無ささう

[古事記伝]
・水上(みづのへ)の和(なぎ)たる意なるべし

 
アワナミ

[古事記:31] アワナミ-ノカミ
[日本書紀] なし

[古事記伝]
・ナミは水の上の騒(さや)ぐを云ふ

[画題]
・次にと名が続き妹(いも)とは書かれないが ここから一般に4組の夫婦神

 
ツラナギ

[古事記:32] ツラナギ-ノカミ
[日本書紀] なし

[古事記伝]
・ツラはツブラの切(つゞま)りたる言なり ツブラは即ちツブダツ音
・円(まろき)をツブラと云も其形より出たり

[シャコ]

 
ツラナミ

[古事記:33] ツラナミ-ノカミ
[日本書紀] なし

[ヤシガニ]

 
アメノミクマリ

[古事記:34] アメノミクマリ-ノカミ 天の水分
[日本書紀] なし

[古事記伝]
・クマリは分配(くばり)なり

 
クニノミクマリ

[古事記:35] クニノミクマリ-ノカミ 国の水分
[日本書紀] なし

 
アメノクヒザモチ

[古事記:36] アメノクヒザモチ-ノカミ
[日本書紀] なし

[古事記伝]
・クヒザモチは汲匏持(くみ ひさご もち)なり
・和名抄:木器の部に杓 和名ひさご 瓢は和名なりひさご、匏なり

 
クニノクヒザモチ

[古事記:37] クニノクヒザモチ-ノカミ
[日本書紀] なし

 

 ここまでハヤアキツヒコ・ハヤアキツヒメ 八柱の子神

 

 

 ふたたびイザナミの神生み

 
シナツヒコ

[古事記:38] シナツヒコ-ノカミ
・本文:風の神 名はシナツヒコ-ノカミ

[日本書紀] シナトベ(シナツヒコ)
・5-6イザナキのイブキよりなれり神シナトベ 亦はシナツヒコ これ風神(かぜのかみ)なり

 
ククノチ

[古事記:39] ククノチ-ノカミ
・本文:木の神 名はククノチ-ノカミ

[日本書紀] ククノチ
・5-本文 木の祖(おや)ククノチ
・5-6 木の神たちをククノチと号(まう)す

[メンガタスズメ]

 
オホヤマツミ ☆

[古事記:40] オホヤマツミ-ノカミ
・本文:山の神 名はオホヤマツミ-ノカミ
・オホヤマツミとカヤノヒメは八柱の子神を生む
・子アシナヅチ・テナヅチ → クシナダヒメ → → オホクニヌシ
・子カムオホイチヒメ → オホトシ ウカノミタマ
・子イハナガヒメ・サクヤヒメ

[日本書紀] ヤマツミ オホヤマツミ
・5-本文 山 イザナミは山を生む
・5-6 ヤマツミ 山の神たちをヤマツミと号(まう)す
・5-7 オホヤマツミ カグツチを斬った時に為(な)る神の一柱
・5-8 オホヤマツミ カグツチを斬った時に首(かしら)から為る
・9-本文 オホヤマツミ 子はカシツヒメ(カムアタツヒメ コノハナノサクヤビメ)
・9-2 オホヤマツミ 子はカムアタカシツヒメ(コノハナノサクヤビメ) イハナガヒメ
・9-5 オホヤマツミ 子はアタカシツヒメ
・9-6 オホヤマツミ 子はイハナガヒメ コノハナノサクヤビメ(トヨアタツヒメ)
・9-8 オホヤマツミ 子はコノハナノサクヤビメ

[サザンカ]

 
カヤノヒメ

[古事記:41] カヤノヒメ-ノカミ
・本文:野(の)の神 名はカヤノヒメ-ノカミ
・八柱の子神を生む

[古事記伝] カヤヌヒメ ヌヅチ
・本文:野(ぬ)の神 名はカヤヌヒメ-ノカミ 亦の名はヌヅチ-ノカミ
・カヤは 屋(やね)葺(ふか)む料の草(くさ)を云ふ名なり

[日本書紀] カヤノヒメ(亦はノツチ)
・5-本文 草(かや)の祖(おや)カヤノヒメ(亦はノツチ)

[ボタン]

 
シナツヒコからカヤノヒメまで 併せて四柱
 

 
オホヤマツミ・カヤノヒメ(ノヅチ) 八柱の子神を生む
本文山野に因(よ)りて持ち別けて 生みませる神の名は
併せて八柱
まんが八艸神 / やはしらのくさのかみ / はっさうしん

 名のある神はゐない

 
アメノサヅチ

[古事記:42] アメノサヅチ-ノカミ

[古事記伝] アメノサヅチ-ノカミ
・サはシナの切(つゞま)りたる言にて そのシナは級(しな)にて 坂路(さかぢ)のことなり

[日本書紀] なし

 
クニノサヅチ

[古事記:43] クニノサヅチ-ノカミ

[日本書紀] クニノサツチ クニノサタチ
・1-本文 クニノサツチ はじまりの三柱のひとり
・1-1 三柱:クニノサツチ(亦はクニノサタチ)
・1-2 四柱:クニノサツチ
・1-4 二柱:クニノサツチ
 同じ名前なれど古事記の神とは関はりなささう

 
アメノサギリ

[古事記:44] アメノサギリ-ノカミ

[古事記伝]
・サはサタチのサと同じく ギリは限(かぎり)の意にてサギリは境(さかひ)と同じ
 境は坂合(さかあひ)にて 此方と彼方とより登る坂の合ふ処なれば即ち坂の限りなり

[日本書紀] なし