御身洗の段 のバックアップ(No.15)


御身洗の段 / みみ みそぎ の段

 
イザナギの大神(おほかみ)の 投げ棄(う)つるものより12柱(とをまりふたばしら)
 
ツキタツフナド

[古事記:90] ツキタツフナド-ノカミ
・杖に成りませる神の名は ツキタツフナド

[日本書紀]
・5-6 フナト

 
ミチノナガチハ

[古事記:91] ミチノナガチハ-ノカミ
・杖に成りませる神の名は ミチノナガチハ

[日本書紀]
・5-6 ナガチハ

 
トキハカシ

[古事記:92] トキハカシ-ノカミ
・袋(ふくろ)に成りませる神の名は 時量師トキハカシ

[日本書紀] なし

[古事記伝] トキオカシ トキナホシ
・裳(も)に成りませる神の名は 時置師トキオカシ
・置の字は直の誤(あやまり)にやあらむ 然(さら)ば トキナホシなり
・一本(あるほん)には量と作(かけ)り

 
ワヅラヒノウシ

[古事記:93] ワヅラヒノウシ-ノカミ
・衣(みけし)に成りませる神の名は ワヅラヒノウシ

[日本書紀]
・5-6 ワヅラヒ

 
チマタ

[古事記:94] チマタ-ノカミ
・褌(はかま)に成りませる神の名は チマタ

[日本書紀]
・9-1 チマタノカミ(サルタヒコノオホカミ) 古事記とは異なる神

 
アキグヒノウシ

[古事記:95] アキグヒノウシ-ノカミ
・冠(かゞふり)に成りませる神の名は アキグヒノウシ

[日本書紀]
・5-6 アキクヒ

[古事記伝]
・和名抄にカウフリとあるは、音便に轉(うつ)れる言なり かむゝり(かんむり)かむりなども云り
・上つ代は冠は無(なか)りしと云説あり 宇受(うず)と云物あり
 炊屋姫(かしきやひめ)の御代に「冠位」は始まるが布で作られている
 冠は漢字(からもじ)の借字(かりもじ) 実(まこと)には草木による飾りなるべし

 
オキザカル

[古事記:96] オキザカル-ノカミ
・左の御手(みて)の手纏(たまき)に成りませる神の名は オキザカル

[日本書紀] なし

 
オキツナギサビコ

[古事記:97] オキツナギサビコ-ノカミ
・(左の御手の手纏より) 次に オキツナギサビコ

[日本書紀] なし

 
オキツカヒベラ

[古事記:98] オキツカヒベラ-ノカミ
・(左の御手の手纏より) 次に オキツカヒベラ

[日本書紀] なし

 
ヘザカル

[古事記:99] ヘザカル-ノカミ
・右(みぎり)の御手(みて)の手纏(たまき)に成りませる神の名は ヘザカル

[日本書紀] なし

 
ヘツナギサビコ

[古事記:100] ヘツナギサビコ-ノカミ
・(右の御手の手纏より) 次に ヘツナギサビコ

[日本書紀] なし

 
ヘツカヒベラ

[古事記:101] ヘツカヒベラ-ノカミ
・(右の御手の手纏より) 次に ヘツカヒベラ

[日本書紀] なし

 
左の手纏よりオキツ3柱 / 右の手纏よりヘツ3柱
奥(おき)は海の奥(おき)、辺(へ)は海辺(うみべた)にて、常にも対言(むかへいふ)なり
疎(さかる)は、古書に多く放又離の字などをも訓り 今の言にも遠ざかると云
海辺(うみべた)と云は広く、波限(なぎさ)は、正(まさ)しく波の打寄(うちよす)る際(きは)なり
カヒは間(あひ)なり
間(あひ)はもと合(あひ)の意にて、彼(かなた)と此(こなた)と合(あふ)処を云るより出たり
此(こゝ)は疎(さかる)処と波限(なぎさ)との間(あひ)の意(こゝろ)ぞ

 万葉集 奥(おく)と沖(おき)は通ず

 
十二 とをあまりふた
古への大和の好む数 記紀
キリの良い数と思はれず 記紀に表はれず

多くの数で分けられるため 量りや暮らしに活きる数
日本書紀に日付として 十干十二支は採られている
古事記に十二は此処くらゐ
 

 
 
ヤソマガツヒ

[古事記:102] ヤソマガツヒ-ノカミ
・中つ瀬に滌(そゝぎたま)ふ時に成りませる神の名は ヤソマガツヒ

[日本書紀]
・5-6 ヤソマガツヒ

[古事記伝] ヤソマガツビ

 
オホマガツヒ

[古事記:103] オホマガツヒ-ノカミ
・次に オホマガツヒ

[日本書紀] なし

[古事記伝] オホマガツビ

 
ヤソマガツヒ オホマガツヒ
古事記かの穢(きたなき)繁國(しきぐに)に到りましし時の汚垢(けがれ)によりて成りませる神なり
古事記伝世の中の禍害(まがこと)をなしたまふ マガツビの神
まんが渦(うず) 咼(ゆが)む

 けがれは後の世の拡大解釈に過ぎない