諸神等生坐の段 のバックアップ(No.11)


諸神等生坐の段 / かみがみ たち あれまし の段

 
既に国を生み竟(お)へて更に神を生みます 故(かれ)生みませる神の名は

 これよりイザナギ・イザナミの子生みのはじまり

 
オホコトオシヲ

[古事記:20] オホコトオシヲ-ノカミ
[日本書紀] なし

[画題]
・イザナギイザナミの初めて生みし子神 ではあれども特に意味を持たない名の神
・オホキナコトをするを表はす神 これから成すとも 成し終へたとも解される
・まんがでは 始まりから終わりまでを記す神

 
古事記大事忍男
訓みオホコトオシヲ
英文字Ohokotooshiwo

 今世ではオーコトオシヲとなる
 千年を越えて話された音を尊ぶ

 
イハツチビコ

[古事記:21] イハツチビコ-ノカミ
[日本書紀] なし

[画題]
・蛸石

 
イハスヒメ

[古事記:22] イハスヒメ-ノカミ
[古事記伝]  イハズヒメ-ノカミ
[日本書紀] なし

 
オホトヒワケ

[古事記:23] オホトヒワケ-ノカミ
[古事記伝]  オホトビワケ-ノカミ
[日本書紀] なし

 
アメノフキヲ

[古事記:24] アメノフキヲ-ノカミ
[日本書紀] なし

 
オホヤビコ ☆

[古事記:25] オホヤビコ-ノカミ
・イザナギイザナミの六柱めの子神
・木の国にゐて大国主を助ける神 同じ名
 同じ神とも 違う神とも どちらとも取られる

[日本書紀] なし

[古事記伝] イダケル
・木の国のオホヤビコを 日本書紀の一書のイダケルとみなす

[画題]
・どちらも同じ神とする

[カナメ]

 
カザモツワケノオシヲ

[古事記:26] カザモツワケノオシヲ-ノカミ
[古事記伝] カザゲツワケノオシヲ
[日本書紀] なし

 
はじまりの七柱の子神
ここまでの六柱の神中世に家に関はる神にされる 初出未確認 管轄外
ここまでの七柱の神日本書紀に書かれず 古事記のみの神 名の意味は不明
七に因む 何らかの意図が込められていると思はれる
七つの色 七つの音 七つの星 七つの惑星 七つの曜日
世界を作りし七日 竹林の七賢人
ここまでは七を尊ぶ習はし これ以下(よりしも)八を尊ぶ習はし

・古への物知り人は耶蘇教を知りたらむ
・曜日になぞらへたいがオホヤビコと木曜が合はない
・新(あらた)しく七草をあてたい処 春に喰へる七草を
・神が集ふと 如何なる歌 如何なる曲 如何なる舞ひを見せるであらう
・終はりと始まりの交はりに立つ色なき神たち 後の世に空けて置かれた七柱の神

 
オホワタツミ ☆

[古事記:27] オホワタツミ-ノカミ ワタツミ-ノカミ
・本文:海(わた)の神 名はオホワタツミ-ノカミを生みまし
・ワタツミ-ノカミの宮

[日本書紀] ワタツミ
・5-本文 イザナミは海(うなはら)を生む 海の神に非ず
・5-6 ワタツミ

[古事記伝]
・師の賀茂真淵:海をワタと云は渡ると云ことなり 山には越(こゆ)といひ 海には渡るといへり
・古への神の名ワタツミ わたづみを只海のことに云は此神の名より移れるなり
・ワダツミ タを濁るもひがことなり

[画題]
・本文内に何の神と書かれる神は珍しい
・古へには海(わた) 海原(うなはら)と使い分けられる
・海の神はワタツミ 山の神はヤマツミ 大まかな名付けである
・のちのワタツミも オホワタツミと同じ神とする

[ダイワウイカ]

 
ハヤアキツヒコ

[古事記:28] ハヤアキツヒコ-ノカミ
・本文:水戸(みなと)の神 名はハヤアキツヒコ-ノカミ

[古事記伝] ハヤアキヅヒコ
・水戸(みなと)は水門と書けるも同じことなり 古くミトと云訓みも有
・水之門(みづのと)の意 門(と)は海の出入る戸口なり
・和名抄には湊は和名三奈止(ミナト)とあり 俗(よ)には此字を用ふ

[日本書紀] ミナトノカミ ハヤアキツヒ
・5-6 ミナトノカミたちを ハヤアキツヒと号(まう)す

[画題]
・みなと全て同じもの:港 湊 水戸 水門
・ヒメと水戸を持ち分けることから 一般に河の神

 
ハヤアキツヒメ

[古事記:29] ハヤアキツヒメ-ノカミ
・ハヤアキツヒコの妹(いも) ハヤアキツヒメ-ノカミ
・八柱の子神を生む

[古事記伝] ハヤアキヅヒメ

[日本書紀] ミナトノカミ ハヤアキツヒ
・5-6 ミナトノカミたちを ハヤアキツヒと号(まう)す
 ハヤアキツヒコとまとめられて ひとりの神扱ひ

[画題]
・水戸は河海(かはうみ)の際(きは) 山戸は山の際
・一般に河口の神とされ 記伝はヒコを河/ヒメを海と解す
・まんがではヒコヒメまとめて河の神

 
オホコトオシヲ-ノカミより ハヤアキツヒメ-ノカミまで 併(あは)せて十柱(とばしら)

 古へに10はキリのいい数と思はれてをらず