鵜羽産屋の段
鵜羽産屋の段 / うのは うぶや の段
海神(わたのかみ)の女(むすめ) トヨタマビメ 妾(あ)は已(すで)に妊身(はら)めるを 今産む時に臨(な)りぬ かれ即ち 其の海邊(うみべ)の波限(なぎさ)に 産殿(うぶや)を造りき |
すべて佗國(あだしくに)の人は 産む時に臨(な)りぬれば 本國(もとつくに)の形になりて産まむ 願はくは妾(あ)をな見たまひそ |
ホヲリの命 其のまさかりに産みたまふを竊(ひそ)かに伺(うかか)ひたまへば |
ヤヒロワニに化りて 匍匐(は)ひ委蛇(もこよひき) |
即ち見驚(みおどろ)き畏(かしこ)みて遁退(にげそ)きたまひき |
トヨタマビメ |
[古事記:247再] トヨタマビメ -ノミコト
・海神の宮より海辺へ参出(まゐで)る 産屋を造りき
・産むところを見たまひそ
・心恥(うらはづか)しとおもほして 其の御子(みこ)を生み置きて 海坂(うなさか)へ返り入りましき
産殿(うぶや)に 鵜(う)の羽(は)の葺草(かや)を 未だ葺(ふ)き合へぬに 産みませる御子 アマツヒコヒコ ナギサタケ ウガヤ フキアヘズの命 |
フキアヘズ ☆ |
[古事記:251] アマツヒコヒコ ナギサタケ ウガヤ フキアヘズ -ノミコト
・ホヲリと 海神の女トヨタマビメの子 アマツヒコヒコ ナギサタケ ウガヤ フキアヘズの命
・母トヨタマビメ 御子を生み置きて 返へり入りましき
・其の弟(いろと)タマヨリビメ 乳母(めのと)となりて 姉の子を養(ひだ)しまつる
・姨(をば)タマヨリビメを娶る
[日本書紀] ヒコナギサタケウガヤフキアヘズ
・10-本文
・10-1
・10-3
・11-本文
[古事記伝] アマツヒダカヒコ ナギサタケ ウガヤ フキアヘズ -ノミコト
トヨタマビメ 戀(こほ)しき心に忍(しの)びずて 治養(ひた)しまつる縁(よし)に因(よ)りて 其の弟(いろと)タマヨリビメ 献(たてまつ)りたまひける |
タマヨリビメ ☆ |
[古事記:252] タマヨリビメ -ノミコト
・トヨタマビメの弟(いろと)タマヨリビメ 乳母(めのと)となりて 姉の子フキアヘズを養(ひだ)しまつる
・フキアヘズ 姨(をば)タマヨリビメを娶りて 四柱の子神
[日本書紀]
・9-7 アマノヨロヅタクハタチハタヒメ(一ヨロヅハタの児タマヨリビメ) 異なる神
・10-本文 タマヨリビメ
・10-1 タマヨリビメ
・10-3 タマヨリビメ
・10-4 タマヨリビメ
・11-本文 タマヨリビメ
オホカメ |
[古事記] なし
[日本書紀] オホカメ
・10-3 トヨタマビメ 自らにオホカメに載りて 女弟(いろど)タマヨリビメを将(ひき)ゐて
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