猨田毘古神阿射加の段

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猨田毘古神阿射加の段 / さるたびこのかみ の あざか の段

 
 
サルタヒコの神 阿邪訶(あざか)に坐(いま)しける時に 漁(すなどり)して
比良夫貝(ひらぶかひ)に  其の手を咋(く)ひ合はさえて 海塩(うしほ)に溺れたまひき
 
 
ソコドクミタマ

[日本書紀] なし

[古事記:番号外] ソコドクミタマ
・サルタヒコ 比良夫貝(ひらぶがひ)に 其の手を咋ひ合はさえ 溺れたまひき
・其の底に沈みたまふ時の名を ソコドクミタマと謂(まを)し

[古事記伝]
・阿邪訶(あざか)は伊勢の国壹志の郡なり
・ソコドクは底著(そこづく)にて 底に沈み著(つく)なり
・比良夫貝 古(いにし)へ世に多かりし物なれど 和名抄などに見えざるは 後に名の変れるにやあらむ
 ツキヒガヒ タヒラギ サルボ

 
ツブタツ

[古事記:番号外] ツブタツミタマ
・其の海水(うしほ)につぶたつ時の名を ツブタツミタマと謂(まを)し

[日本書紀] なし

[古事記伝]
・ツブタツは師の説に物の沈みいる時に水の鳴る音なりと云れき
・たつとは上るを云て底より音の鳴りて上るなり

 
アワサク

[古事記:番号外] アワサクミタマ
・其のあわさく時の名を アワサクミタマと謂(まを)す

[日本書紀] なし

 

 
 
ウズメ サルタヒコを送りて 還り至りて 汝(いまし)は天つ神の御子に仕へ奉(まつ)らむやと問ふときに
諸(もろもろ)の魚(うをども)皆 仕へ奉(まつ)らむと白(まを)す中に 海鼠(こ) 白(まを)さず
此の口や 答へせぬ口といひて 紐小刀(ひもかたな)もちて其の口を拆(さ)きゝ 故(かれ)今に海鼠(こ)の口拆(さ)けたり
 
 

[古事記:番号外] コ (生き物)
・ウズメの問ひに答へずて 口を拆(さ)かるゝ

[日本書紀] なし

[古事記伝]
・皇孫(みま)の大御饌(おほみけ)の御贄(みにへ)になりなむや否やを問ふなり
・海鼠は和名抄に和名 古(こ) 今の世なまこくしこきんこなど云ふ名もあり
・和名抄に大刀は太知(たち) 小刀は加太奈(かたな)とありて 加多那は片刃の小刀なり

[コ]
・蚕(こ)と呼び分けて 生(なま)海鼠(こ) 飼ひ蚕(こ)

 
 
 
 

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