夜見国の段

Last-modified: Sat, 26 Mar 2022 04:28:00 JST (1048d)
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夜見国の段 / よみのくに の段

 
黄泉国(よもつくに)
イザナギ黄泉国(よもつくに)に追ひ行でましき
イザナギ「国未(いま)だ作り竟(お)へず 故(かれ)還るなり」
イザナミ「黄泉神(よもつかみ)と相論(あげつら)はむ」   

 イザナミより前(さき)に黄泉神(よもつかみ)あり

 
ククリヒメ

[古事記] なし

[日本書紀]
・5-10 ククリヒメ-ノカミ
 泉国(よもつくに)に菊理媛神 (訓みはククリヒメ亦はココロヒメとなる)

[まんが]
・黄泉の国でのイザナミの話し相手の「数へる神」 親はタカキとしておく
・のちに大国主に算盤と大黒帳を授ける

[カヤ]
・まんがでは 世間(よのなか)の只中(ただなか)に在る木

 

 
 
八雷神 / やくさの いかづち がみ
イザナミの体に 八雷神 成り居(を)りき
 
 
オホイカヅチ

[古事記:78] オホイカヅチ-ノカミ
・頭(かしら)に オホイカヅチ

[日本書紀]
・5-7 イカヅチノカミ
・5-9 オホイカヅチ

 
ホノイカヅチ

[古事記:79] ホノイカヅチ-ノカミ
・胸に ホノイカヅチ

[日本書紀]
・5-9 ホノイカヅチ

 
クロイカヅチ

[古事記:80] クロイカヅチ-ノカミ
・腹に クロイカヅチ

[日本書紀]
・5-9 クロイカヅチ

 
サキイカヅチ

[古事記:81] サキイカヅチ-ノカミ
・陰(みほと)に サキイカヅチ

[古事記伝] サクイカヅチ
[日本書紀]
・5-9 サクイカヅチ

 
ワカイカヅチ

[古事記:82] ワカイカヅチ-ノカミ
・左手(ひだりのて)に ワカイカヅチ

[古事記伝] ワキイカヅチ
[日本書紀]
・5-9 ワカイカヅチ

 
ツチイカヅチ

[古事記:83] ツチイカヅチ-ノカミ
・右手(みぎりのて)に ツチイカヅチ

[日本書紀]
・5-9 ツチノイカヅチ

 
ナリイカヅチ

[古事記:84] ナリイカヅチ-ノカミ
・左足(ひだりのあし)に ナリイカヅチ

[古事記伝] ナルイカヅチ
[日本書紀] なし

 
フシイカヅチ

[古事記:85] フシイカヅチ-ノカミ
・右足(みぎりのあし)に フシイカヅチ

[日本書紀] なし

 
いかづち かむとけ かみなり
いかづち 古事記 万葉集 日本書紀
恐ろしいものや魔物を表はす言葉 のちにカミナリも
霹靂かむとけ 日本書紀 万葉集 落雷寄り (へきれき)
鳴神なるかみ 万葉集 音寄り
雷電雷(かみ)なり電(いなびかり)す 万葉集
稲妻いなづま 初出未確認 中世か

 「かみなり」は元は音を指しての名 「なるかみ」は歌詞(うたことば)

 

 
 
ヨモツヒメ

[古事記] なし
[日本書紀] なし

[まんが] 黄泉姫
・イザナミの黄泉の国での姿
・体に八雷神(やくさのいかづちがみ)

[タマネギ]
・一般に鬼女に描かれる まんがでは玉葱な

 
ヨモツシコメ

[古事記:86] ヨモツシコメ (神とは書かれず)

[日本書紀] ヨモツシコメ ヨモツヒサメ (神とは書かれず)
・5-6 ヨモツシコメ八人(やひと)、一(ある)に云はく、ヨモツヒサメ

[古事記伝]
・名の義(こゝろ)は、形のおそろしく見悪(みにく)きを云

[まんが]
・最も神から遠い行い 自殺した神
・死人(しにびと)を癒し己の傷もまた癒えてのち根に還る

[ヒワ スイセン]

 
ヨモツイクサ

[古事記:87] ヨモツイクサ
・千五百(ちいほ)の黄泉軍(よもついくさ) (神とは書かれず)

[日本書紀] なし

[ヤツメウナギ]

 
オホカムヅミ

[古事記:88] オホカムヅミ-ノミコト

[日本書紀] なし

[ヤマモモ]

 
ヨモツオホカミ

[古事記:番号外] ヨモツオホカミ
・イザナミノミコトを ヨモツオホカミとまをす
・亦(また)かの追ひしきしによりて チシキノオホカミと まをすともいへり

[日本書紀] なし

[アヂサヰ]

 
チガヘシ

[古事記:89] チガヘシ-ノオホカミ サヤリマスヨミド-ノオホカミ
・千引石(ちびきいは)をその黃泉比良坂(よもつひらさか)に引き塞(さ)へて
・其の黃泉坂(よみのさか)に塞(さや)れりし石(いは)は チガヘシ-ノオホカミとまおし
 サヤリマスヨミドノオホカミ ともまをす

[日本書紀]
・5-6 チガヘシ-ノオホカミ

[センノキ]

 
 
黃泉 古事記に11箇所/よみ訓みは2箇所
黃泉國よもつくに 或いはよみつくに(古事記伝)
黃泉戸喫よもつへぐひ
黃泉神よもつかみ 相論(あげつら)はむ
黃泉軍よもついくさ 千五百(ちいほ)の黃泉軍
黃泉比良坂よもつひらさか 4箇所
黃泉津大神よもつおほかみ イザナミ
黃泉坂よみのさか
黃泉戸大神よみどのおほかみ チガヘシの亦の名
 
 
黃泉
漢土黃泉 コウセン 漢土の伝への 地下にある死人の国
古事記黃泉 よも
日本書紀黃泉 よもつくに
万葉集泉国 よもつくに
古事記伝よもつくに 或いはよみつくに 下方(したべ)に在る国なりけり
 古くは「よも」であり「よみ」に変わったとみられる
 音のうへから「夜見」には遠く「闇」により近い言葉
死人(しにびと)の国「黃泉」の伝へ(伝承)は疑はしく 古事記が語り始めやも
 
まんがの黃泉
古事記に地下とは書かれてゐない まんがでは昼なほ暗い「梅雨の国」
死人(しにびと)の傷(いた)みを癒し 根に還す
 
 
 

次のお話は
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