夜見国の段
夜見国の段 / よみのくに の段
黄泉国(よもつくに) |
イザナギ黄泉国(よもつくに)に追ひ行でましき イザナギ「国未(いま)だ作り竟(お)へず 故(かれ)還るなり」 イザナミ「黄泉神(よもつかみ)と相論(あげつら)はむ」 |
イザナミより前(さき)に黄泉神(よもつかみ)あり
ククリヒメ |
[古事記] なし
[日本書紀]
・5-10 ククリヒメ-ノカミ
泉国(よもつくに)に菊理媛神 (訓みはククリヒメ亦はココロヒメとなる)
[まんが]
・黄泉の国でのイザナミの話し相手の「数へる神」 親はタカキとしておく
・のちに大国主に算盤と大黒帳を授ける
[カヤ]
・まんがでは 世間(よのなか)の只中(ただなか)に在る木
八雷神 / やくさの いかづち がみ |
イザナミの体に 八雷神 成り居(を)りき |
オホイカヅチ |
[古事記:78] オホイカヅチ-ノカミ
・頭(かしら)に オホイカヅチ
[日本書紀]
・5-7 イカヅチノカミ
・5-9 オホイカヅチ
ホノイカヅチ |
[古事記:79] ホノイカヅチ-ノカミ
・胸に ホノイカヅチ
[日本書紀]
・5-9 ホノイカヅチ
クロイカヅチ |
[古事記:80] クロイカヅチ-ノカミ
・腹に クロイカヅチ
[日本書紀]
・5-9 クロイカヅチ
サキイカヅチ |
[古事記:81] サキイカヅチ-ノカミ
・陰(みほと)に サキイカヅチ
[古事記伝] サクイカヅチ
[日本書紀]
・5-9 サクイカヅチ
ワカイカヅチ |
[古事記:82] ワカイカヅチ-ノカミ
・左手(ひだりのて)に ワカイカヅチ
[古事記伝] ワキイカヅチ
[日本書紀]
・5-9 ワカイカヅチ
ツチイカヅチ |
[古事記:83] ツチイカヅチ-ノカミ
・右手(みぎりのて)に ツチイカヅチ
[日本書紀]
・5-9 ツチノイカヅチ
ナリイカヅチ |
[古事記:84] ナリイカヅチ-ノカミ
・左足(ひだりのあし)に ナリイカヅチ
[古事記伝] ナルイカヅチ
[日本書紀] なし
フシイカヅチ |
[古事記:85] フシイカヅチ-ノカミ
・右足(みぎりのあし)に フシイカヅチ
[日本書紀] なし
いかづち かむとけ かみなり | |
雷 | いかづち 古事記 万葉集 日本書紀 恐ろしいものや魔物を表はす言葉 のちにカミナリも |
霹靂 | かむとけ 日本書紀 万葉集 落雷寄り (へきれき) |
鳴神 | なるかみ 万葉集 音寄り |
雷電 | 雷(かみ)なり電(いなびかり)す 万葉集 |
稲妻 | いなづま 初出未確認 中世か |
「かみなり」は元は音を指しての名 「なるかみ」は歌詞(うたことば)
ヨモツヒメ |
[古事記] なし
[日本書紀] なし
[まんが] 黄泉姫
・イザナミの黄泉の国での姿
・体に八雷神(やくさのいかづちがみ)
[タマネギ]
・一般に鬼女に描かれる まんがでは玉葱な
ヨモツシコメ |
[古事記:86] ヨモツシコメ (神とは書かれず)
[日本書紀] ヨモツシコメ ヨモツヒサメ (神とは書かれず)
・5-6 ヨモツシコメ八人(やひと)、一(ある)に云はく、ヨモツヒサメ
[古事記伝]
・名の義(こゝろ)は、形のおそろしく見悪(みにく)きを云
[まんが]
・最も神から遠い行い 自殺した神
・死人(しにびと)を癒し己の傷もまた癒えてのち根に還る
[ヒワ スイセン]
ヨモツイクサ |
[古事記:87] ヨモツイクサ
・千五百(ちいほ)の黄泉軍(よもついくさ) (神とは書かれず)
[日本書紀] なし
[ヤツメウナギ]
オホカムヅミ |
[古事記:88] オホカムヅミ-ノミコト
[日本書紀] なし
[ヤマモモ]
ヨモツオホカミ |
[古事記:番号外] ヨモツオホカミ
・イザナミノミコトを ヨモツオホカミとまをす
・亦(また)かの追ひしきしによりて チシキノオホカミと まをすともいへり
[日本書紀] なし
[アヂサヰ]
チガヘシ |
[古事記:89] チガヘシ-ノオホカミ サヤリマスヨミド-ノオホカミ
・千引石(ちびきいは)をその黃泉比良坂(よもつひらさか)に引き塞(さ)へて
・其の黃泉坂(よみのさか)に塞(さや)れりし石(いは)は チガヘシ-ノオホカミとまおし
サヤリマスヨミドノオホカミ ともまをす
[日本書紀]
・5-6 チガヘシ-ノオホカミ
[センノキ]
黃泉 古事記に11箇所/よみ訓みは2箇所 | |
黃泉國 | よもつくに 或いはよみつくに(古事記伝) |
黃泉戸喫 | よもつへぐひ |
黃泉神 | よもつかみ 相論(あげつら)はむ |
黃泉軍 | よもついくさ 千五百(ちいほ)の黃泉軍 |
黃泉比良坂 | よもつひらさか 4箇所 |
黃泉津大神 | よもつおほかみ イザナミ |
黃泉坂 | よみのさか |
黃泉戸大神 | よみどのおほかみ チガヘシの亦の名 |
黃泉 | |
漢土 | 黃泉 コウセン 漢土の伝への 地下にある死人の国 |
古事記 | 黃泉 よも |
日本書紀 | 黃泉 よもつくに |
万葉集 | 泉国 よもつくに |
古事記伝 | よもつくに 或いはよみつくに 下方(したべ)に在る国なりけり |
古くは「よも」であり「よみ」に変わったとみられる 音のうへから「夜見」には遠く「闇」により近い言葉 | |
死人(しにびと)の国「黃泉」の伝へ(伝承)は疑はしく 古事記が語り始めやも |
まんがの黃泉 |
古事記に地下とは書かれてゐない まんがでは昼なほ暗い「梅雨の国」 死人(しにびと)の傷(いた)みを癒し 根に還す |
次のお話は
御身洗の段 / みみ みそぎ の段